2019年1月2日 訃報

猫が死んだ。

いつも帰りを待っていて、朝は腹が空いたと顔に爪を立てたり、耳元で大声で鳴いて起こしてくれた猫が、年末に突然ごはんを食べなくなった。
半年前からトイレを失敗することが増えたが、年も年だしトイレを増設してあまり気にしないことにしていた。食欲がなさそうなときでもちゅ〜るはよく食べたし、食欲がないふりをしてちゅ〜るをねだることもあったのだが、皿には手付かずのちゅ〜るが半分乾きはじめていた。コンビニで猫のごはんを全種類買って開けてみたが、鼻もあまりきかないようだった。
スープ仕立てのちゅ〜るを少し食べて数時間に戻していた。
昼間誰もいない家は寒いかとクリスマスにホットカーペットをプレゼントしたが、あまり気に入らないようだった。その前にプレゼントした湯たんぽをよく使っていた。
年が明けると水さえも飲まなくなり、自分の足で歩くことも難しいようだった。抱きかかえると骨の浮き出た体は紙風船のように軽く、寝返りを打つにも体がうまく動かず、一日横になり、適宜裏にしたり表にしたりを繰り返した。腹が上下に動くのを見ると安心した。
弱っていく姿を見ながら、様子としても老衰だろうから、きっと自分はこの猫の回復でなく死ぬのを知って待っているんだろうと思った。苦しくなさそうなのが救いだった。
元旦の夜にブラシで毛をとかすと、口をもぐもぐする仕草をしたので、牛乳や水を与えてみても、見向きもしなかった。寝る前に湯たんぽを新しくしようとしたところ、冷たくなっていた。
年末年始はペット斎場が休みなので、一番柄がおしゃれだと思うオレンジ色のバスタオルに包んで、5kgのお米が入っていた段ボールに入れた。体はぐにゃっとして重く、弾力のないゴムでできているみたいだった。
転職で給料が少し上がるので、カルカンからモンプチにごはんが格上げされることを伝えたばかりだった。