2018年1月31日 今月読んだ本

今年から、読んだ本をまとめていくことにした。読書メーターにはログインができないし、自分の記憶力はまったくアテにならない。記憶力と言えば、例えば12月に読んだのか2月に読んだのかわからなくなってしまったりする。「2」しか覚えられないからだ。そのため、10月〜1月までの出来事などを一括りに記憶してしまう恐れがある。そんな人間にとって、パスワードの管理ほど苦手なものはない(もちろん、記憶力以外にもさらに深刻な脆弱性が多々あるので、パスワードの管理以外にもっと苦手なこともあるが、今は記憶力が弱いという話なので逸れないようにしておきたい)。いつまで続くかわからないがとりあえずやる宣言をしておく。

 

 

1月1日 村上春樹羊をめぐる冒険(上)』

本当は年末に読み終えることができたが上巻を最後の読書にしたくなかったので数ページとっておいて、わざと年始に読み終えた。バツイチの主人公が、完璧な耳をもつ女の子と特別な羊を探しに北海道へ行くところで終わった。鼠からの手紙がアツい。下巻を手に入れてないので早く続きが読みたい。ところで、今の講談社文庫は文字が大きすぎるため、とても読みづらい。もう少し文字が小さかった頃のものを古本で探して読んでいる。

 

 1月2日 リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』

去年のある日、飯を求めて大戸屋に入ったら白いTシャツを着た色白の若い男子がこの本を読んでおり、こんなに素敵な青年が読んでいるのだからさぞかし素敵な本だろうと思って即購入した。Tシャツから伸びる白くて細い腕がとにかく良かった。全てが西瓜糖でできたアイデスと、アイデスの外であるらしい<忘れられた世界>の物語。アイデスはある種の理想郷であるが、アイデスに満足できない人もいる。アイデスと忘れられた世界は自由に行き来できるらしく、忘れられた生活を好む粗暴な人間がでてくる。自分が現在、やりたくもない労働によるストレスをためながら辛く貧しい暮らしをしているここは間違いなく<忘れられた世界>だ。正月休みに読むには、社会へ戻る意欲が失われる危険な本だった。早くアイデスへ帰りたい。ちなみに大戸屋の青年はそれ以降一度も見かけない。

 

1月3日 リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』

人々が持ち寄った自作の本を所蔵する図書館で働く主人公の元に、美しい女性が本を持ってきて、2人は恋に落ちる。その末にできた子どもを中絶するために2人で図書館を出るという話。一年中Tシャツしか着ず、洞窟で働く男が、村上春樹の鼠っぽくて良かった。

 

 

リチャード・ブローティガン『ビッグ・サーの南軍将軍』

なんとなく歴史ものだと思って敬遠していたが、「ビッグ・サー」というのは地域の名前。内容は西瓜糖みたいなかんじ。

 

 

1月12日植本一子『家族最後の日』

『働けECD』『かなわない』に続き植本氏の本を読むのは3冊目。この人のすごいところは、生活の負け越しを見逃さないところだと思う。負け越した分は取り返すことなくそのまま日々に忙殺されていくだけ。実母との決別、義弟の死、ECDの余命宣告を綴ったもの。ECDが今月の24日に亡くなったのは随分早かったみたいだ。義弟の持ち物を片付けるところはめっちゃ泣いた。

 

 

1月14日 LiLiCo『ザリガニとひまわり』 

タレントの自伝を読むのが好き。スウェーデンから単身、祖母を頼りに日本に渡ってからデビューするまでのホームレス生活。言葉もカタコトで、見た目も派手なLiLiCoが体当たりで社会の仕組みを学んでいく話。ショーパブで働くの楽しそうだった。

 

 

1月20日 レイ・ブラッドベリ『刺青の男』

全身刺青だらけの男の刺青が、月夜に動いて物語を紡ぎ始める短編集。ほとんどがテクノロジーを皮肉ったSFなので、ブローティガンまみれだったこともあり、ナチュラル志向に拍車をかけた。

 

おまけ タナカカツキ『サ道』

漫画と本どっちも読んだ。サウナの心得。サウナに入りすぎて耳が遠くなったり、鬱病診断手前までいったり、危険性(中毒性?)も説明されている。正直まだ「ととのう」がどんなものなのか感覚としてはわからないが、サウナは楽しい。

 

以上。2月は休みもないし、あんまり読めないだろうな。